2024 年 63 巻 5 号 p. 550-559
1982年に入社してから現在まで,42年間の会社人生の大半をインクジェット画像処理開発に費やしてきた.そこでこの機にエプソンのカラーインクジェットプリンター用画像処理技術開発の歴史を,時系列で振り返ってみた.まず,インクジェットでの写真画質は困難と考えられていた黎明期に,その常識を覆して写真画質を実現するのに画像処理技術がどのように貢献をしたかを,3次元ルックアップテーブルを用いた色補正技術と,完璧な粒状性を実現するためのハーフトーン技術を中心に明らかにした.次いで,2000年以降,主にインクジェットプリンターの高速化に伴い発生した,粒状性劣化,むらの発生などの画質課題と,それに対応するために新規開発した画像処理について解説した.