電子写真学会誌
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プラズマCVD法による高光導電性アモルファスシリコンカーバイド薄膜のHeの希釈効果
秋山 浩二田中 栄一郎滝本 昭雄渡辺 正則
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1989 年 28 巻 1 号 p. 20-31

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抄録

H2およびHeを希釈ガスに用いたSiH4およびC2H2のプラズマCVD法によりa-Si1-xCx:H膜を作製し,He希釈効果並びに膜構造と光導電性との関連について検討した.その結果,He希釈によりSiH2結合およびCH結合が減少すると共に膜の密度が大きくなり,光導電性が向上することがわかった.この効果は,準安定状態にあるHe原子の膜表面との衝突による実効的な温度上昇によるものと考察した.He希釈したプラズマ中ではガスの分解効率は19%まで向上し,成膜速度は1 μm/h以上を達成できた.炭素含有量必が0.2のときημτは10-6 cm2/Vとa-Si:Hと同程度の値を得た.光導電性は膜の構造に依存しており,炭素含有量が多い場合でも,SiH2結合およびCH結合の発生を抑制し高密度化することにより向上できた.

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© 1989 一般社団法人 日本画像学会
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