電子写真学会誌
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積層型正帯電有機感光体用表面保護層の開発(第2報)
— 画像ボケの計算機シミュレーションとその材料開発への応用 —
佐藤 徹哉久田 均信太 三吉
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1992 年 31 巻 1 号 p. 40-45

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抄録

ウレタン/シリコーン系材料を用いて正帯電有機感光体用保護層を形成し,保護層の高温高湿環境におけるボケ・流れなどの画像特性に与える影響を,保護層の抵抗率の測定と画像ボケの計算機シミュレーションの結果を基に検討した.保護層の抵抗は温湿度環境に大きく依存し,特に連続画像出し試験後の高温高湿環境での抵抗低下が画像ボケを引き起こす.保護層の抵抗測定から求めた正常画像が得られるために必要な表面抵抗は1×1015&Omega/□)であり,画像ボケの計算機シミュレーションから求めた値とよ一致する.本構成の感光体の表面抵抗は保護層の抵抗で決っているものと考えられる.また,連続画像出し試験後の保護層の抵抗低下はCl-,SO42-などの紙成分イオンのコロイダルシリカ表面への吸着によるものと考えられる.

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© 1992 一般社団法人 日本画像学会
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