トナー粒子と絶縁性キャリア粒子からなる二成分現像系で,現像器単体装置を使った実験におけるトナー飛散現象について,トナー粒子によるキャリア表面の被覆率(θ),表面積分布に基づいた平均トナー粒子径(d50)および平均キャリア粒子径(D50)を変化させて調べた.その結果,1個のキャリア表面上でランダムに分布し,摩擦帯電し,付着していたトナー粒子の平均個数nで規格化した飛散トナー重量(Wt/n)はトナーによるキャリア表面の被覆率θ,あるいは,トナーとキャリアの総表面積比(nst/sc)の増加に対して,トナー粒子径・キャリア粒子径に依らず,指数関数的に増加した.そして,この増加は,トナー表面電荷密度(q/st)とトナー・キャリア間の平衡接触電場(Ek)の積,すなわち,トナー・キャリアの接触部における単位面積当たりのクーロンカ(qEk/st)の低下によって説明された.