電子写真学会誌
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論文
非接触現像プロセスにおけるカラートナーの設計
小林 義彰白勢 明三兼子 正Hiroyuki TAKAGIWA
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1994 年 33 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

電子写真方式を採用したフルカラー複写機は,プロセスの構成上,装置の大型化を招き,高速化の限界も生じてくる.これらの課題を解決するため,非接触現像プロセスは提案された.その特徴は,磁気ブラシを薄層化し,感光体に対して非接触の状態で逐次基本色を重ね合わせて現像した後,転写ドラムを用いずに一括して転写する方式である.このプロセスを用いた場合,転写ドラムを必要としないため装置の小型化が達成でき,高速化も可能となる.しかし,非接触現像プロセスは,従来の接触現像プロセスと比較し,現像剤に対する現像の安定性が厳しく要求される.そこで,現像の安定化を達成するため,非接触現像のメカニズムを解明し,検討を進めた結果,次の結論が得られた.
1)非接触現像の系において,トナー・キャリア間の物理的付着力が現像に影響を及ぼす.
2) 外添剤粒径および離型剤のドメイン径コントロールを行うことにより,物理的付着力の変化を軽減することができる.
3)ハードセグメントを主骨格に持ち,長鎖のソフトセグメントを側鎖に持つ耐衝撃性に優れたバインダー樹脂の採用により,現像の安定化がはかれる.

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© 1994 一般社団法人 日本画像学会
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