電子写真学会誌
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論文
トナー材料の動的摩擦帯電特性
高橋 政明星野 勝義小門 宏
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1995 年 34 巻 3 号 p. 173-180

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抄録

フィルム状の試料と鉄粉キャリアとを摩擦帯電させる装置を設計・作製した.本摩擦帯電装置は,測定雰囲気(相対湿度,周囲ガス圧,ガスの種類など)を制御できる,および摩擦帯電と同時に試料の表面電位を同時に測定できるといった特徴を持つ.この装置を用いてトナーおよびトナー構成要素である何種類かの樹脂について,摩擦帯電挙動の検討を行った.その結果,フィルム状試料の帯電挙動は周囲の相対湿度やガス圧に大きく依存し,依存の仕方は材料によって異なることがわかった.
また,ポリスチレンフィルムを用いて種々の相対湿度下における膜厚と帯電量の関係を検討した.その結果,帯電電荷は表面だけでなくフィルムのバルクにも分布しており,水分子の侵入と密接に関連していることが示唆された.
さらに本研究では,スチレンーアクリル変性ポリエステルフィルムに観察されたような両極性帯電の例や,摩擦帯電に及ぼす分子量の効果について述べる.

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© 1995 一般社団法人 日本画像学会
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