1996 年 35 巻 2 号 p. 110-115
Extrinsicな光キャリア生成が起こる積層感光体の電荷発生層(CGL)/電荷輸送層(CTL)界面をマイクロスコピックな観点から調べた.積層感光体のCGLの断面電子顕微鏡写真から,キャリア発生サイトはCTLの塗工時に電荷輸送材料(CTM)がCGLにしみ込んで形成されることが明らかになった.この現象は,フィックの法則に基づく拡散現象として説明できた.CTMによる電荷発生材料(CGM)のフォトルミネッセンス消光実験より,CGM粒子に最接近したCTM分子だけが光キャリア発生に関与することが分かった.また,キャリア発生に関与する光誘起電子移動反応が断熱的であることも分かった.