電子写真学会誌
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論文
スリーブレスマグネットローラーによる新現像方式の検討
朝苗 益實阿部 修実竹内 学野代 敏彦落合 正久山下 恵太郎
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1996 年 35 巻 4 号 p. 325-331

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抄録

電子写真システムで低価格の現像方式を実現するため,現在一般に使用されているマグネットローラーからスリーブとフランジを除去した,スリーブレスマグネットローラーを用いて,現像条件を検討した.スリーブレスマグネットローラーは,直径20 mmのフェライト磁石製で,16極もしくは32極に着磁されたものを使用した.スリーブレス現像方式では,現像ギャップとドクターギャップの差を約0.1 mmに選ぶことにより,画像品質が最も高く,従来のスリーブ付き現像方式とほぼ同等の画像が得られることがわかった.磁性トナーのみでは磁気ブラシの高さが低いため良好な画像が得られなかった.一方,磁性トナーと鉄粉キャリアの組み合わせにおいては磁気ブラシが高く,感光体との接触が十分になり,かつ,トナーの帯電量も増加する.その結果,トナー濃度が20~70wt%で従来のスリーブ付き現像方式と同等の画像が得られた.
磁性1トナーと鉄粉キャリアの組み合わせを用いた場合,トナー中の磁性粉の含有量が10~50wt%の広い範囲で高い画像濃度が得られた.非磁性トナーと鉄粉キャリアの組み合わせにおいて,スリーブ付き方式よりはるかに広い範囲(10~60wt%)のトナー濃度でスリーブレス方式を使用出来ることを確認した.非磁性トナーと鉄粉キャリアの縄み合わせを使屠したときの現像バイアス電圧に対する画像濃度変化は,従来の非磁性i成分現像方式と非常に類似している.磁性トナーおよび非磁性トナーの両方を鉄粉キャリアと繕み合わせて最適条件で各i万枚の連続テストを行い,ともに,画像濃度は一定であることを確認した.

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© 1996 一般社団法人 日本画像学会
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