抄録
音楽刺激による心拍数および心拍ゆらぎの変化を調査した。被験者は22-23歳の健康な男子10人であった。音楽は一つのJ-Pop,Judy and Maryの歌"くじら12号"を用いた。音楽刺激の刺激前5分,刺激中5分,刺激後5分の脈波を測定した。その結果、心拍数に有意な変化は見られなかった。LF/HFは刺激中において有意に減少した(LFおよびHFは、それぞれ、心拍変動のパワースペクトルのlow frequency成分およびhigh frequency成分を意味する)。これは、刺激中に交感神経の活動を抑制することが示唆された。LFは刺激後有意に上昇した。これは刺激後においてストレスの軽減効果が示唆された。本実験で用いた音楽の刺激は音楽療法に効果があると思われる。