国際生命情報科学会誌
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第28回生命情報科学シンポジウム
太極拳実施に伴う脳波の変化II
(発表論文,第28回生命情報科学シンポジウム)
河野 貴美子坂上 泰代桂川 秀嗣高木 治小久保 秀之橋爪 秀一鎌田 明彦山本 幹男渡辺 恒夫
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2009 年 27 巻 2 号 p. 189-193

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抄録

太極拳練習過程における脳波の変化を、昨年に引き続き、各種生理指標とともに検討した。今回は全くの初心者における半年間の変化を追うとともに、鍛錬歴20年および12年の太極拳師範格を有する者2名をその参照として計測し、単純な足踏み運動との違いを検討した。安静時に後頭部に大きく現れるα波は、動きを伴う太極拳実施中は小さくなる。しかし、上級者ほどその減少度合いは少なくなり、さらに前頭/後頭α波平均振幅比(Fp_2/O_2)が大きくなる傾向が認められる。今回の初心者も、練習を積むにつれてリラックスして太極拳ができるようになり、実施中の後頭α波が初回より増える傾向が認められた。同時に前頭部のα波も徐々に増大する様子がみられ、Fp_2/O_2はわずかながら大きくなる傾向がみられた。さらに、足踏み後の安静は覚醒度が下がりがちであったのに対し、太極拳後の安静では閉眼でも比較的高い覚醒水準を維持する傾向がみられていた。

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© 2009 国際生命情報科学会
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