標準化研究
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ネットワーク外部性効果と経営分析による実証
小幡 祐士
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2004 年 3 巻 1 号 p. 51-57

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抄録
京都の多くの先進的企業経営は,ネットワーク外部性効果の理念を生かした「モジュール化戦略」による経営モデルを採用していると言われる(京都大学の末松千尋助教授は,京都におけるこの経営スタイルを自著で“京様式経営”と名付ナている)。経営指標で比較しても,京様式経営の企業は,売上高営業利益率,ROE(株式資本利益率)などは,日本を代表するセットメーカ(日立,東芝,三菱など)を凌いでいる。なぜ,京都に優位性をもつ“経営の革新モデル”が誕生したのか。その企業コンセプトは,「ネットワーク外部性効果」を実践的に適用しようとした経営モデルにあるようだ。本論文では,ネットワーク経済論で着目されている「ネットワーク外部性」の問題を論及するとともに,企業の競争優位の証左を示す一つの切り口として,財務諸表分析(経営分析)の手法を活用し,モジュール化戦略のメーカと大手のセットメーカとの比較を行った。なお,財務データは,「日経テレコン21」および金融庁のEDINET(有価証券報告書が掲載されている)などのオンライン・データベースを利用した。
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