2025 年 13 巻 p. 19-33
県内高等学校の中でも比較的緑地が多い兵庫県立伊丹高等学校において、2013 年4月から生き物のすみかや、生 活史について学ぶことを意図した「インセクトホテル」と呼ばれる環境教育教材を用いた取組が実践されている。本 研究は、2023 年 9 月からインセクトホテルに用いた植物の種類と生物相(fauna)の調査を行い、インセクトホテ ルを利用する昆虫のなかまで個体数が最も多かったアリとシロアリのなかまについて調べた。その結果、アリのなか まは3種が、シロアリのなかまは 1 種の利用を確認した。また、インセクトホテルの1F ~3F までアリとシロアリ のなかまについて利用状況の違いを示し、3種のアリとシロアリの関係性について新たな知見も得られた。本研究か らインセクトホテルに入れる樹種や作製する際の改善点についても述べた。