抄録
1998年11月、日本の向井飛行士、英雄ジョングレン等が搭乗したスペースシャトルにおいて、HDTVカメラによる世界で初めての宇宙映像の撮影に成功した。VCR一体型の小型なHDTVカメラ(HDCAM)をスペースシャトルに搭乗するにあたっては、さまざまな宇宙環境対策を行い、NASAの定める全ての安全基準をクリアした。宇宙からのHDTV映像は地球の地形や雲の状況などを克明にとらえており、映像として科学的な価値が非常に高い。21世紀の宇宙時代における映像インフラとして、HDTVの可能性が一段と高くなった。宇宙からのHDTV映像や技術上のトピックスを紹介する。