映像情報メディア学会誌
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特集論文
時空間領域セグメンテーションを用いた動画被写体領域抽出
大久保 英彦藤井 真人
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2014 年 68 巻 11 号 p. J471-J481

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抄録
本研究の目的は,映像合成制作で必須の作業である,映像中の指定被写体領域を選択して部分映像を取出すことを簡単でインタラクティブな操作で実現させることである.映像制作においては,ユーザのさまざまな試行操作に対する高速なフィードバックが求められるが,動画を対象とする場合,大量のピクセル数がそれを困難とする.本研究では,部分映像の取出し作業において高速なフィードバックを実現するために,映像を時空間領域に分割し,抽出の際にはその結果の分割領域をノードとみなしたグラフカット処理を利用するアプローチを提案する.具体的には,新たな時空間領域分割手法と指定被写体領域抽出手法を考案した.領域分割については,難易度の高い処理である,一般的な背景の中を動く被写体を抽出する目的に特化させた手法になっている.指定被写体抽出については,不均一な時空間分割領域をノードとしてグラフカット処理する場合にも効果的に抽出できるような手法となっている.そして,この提案する領域分割手法と領域抽出手法の二つを組合せることで,効率的に高品質な被写体抽出が可能になることを示した.
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© 2014 一般社団法人 映像情報メディア学会
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