映像情報メディア学会誌
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論文
遠方両眼立体視による適切な車両ブレーキタイミングのための遠赤外線ハイパーステレオカメラ配置
水津 俊介遠藤 孝彬山本 正信
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2016 年 70 巻 8 号 p. J191-J199

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抄録

遠赤外線ステレオカメラからの映像を3Dモニタで見ることにより,走行環境を立体的に把握するための運転支援システムを検討する.ステレオカメラの基線長を瞳孔間距離とすれば,人間の視覚に近い距離感が3Dモニタから両眼視差により得られる.しかし,運転に必要な数十m先の距離感は両眼視は効果なく単眼視から得られることになる.遠赤外線画像では対象を充分に認識できない恐れがあり,単眼視では距離を正確に把握することが難しい.これでは安全なタイミングでブレーキを踏めないことになる.そこで,基線長を瞳孔間距離の10倍程度に拡大し,数十メートル先の距離感を両眼視差により把握することにする.ステレオカメラと3Dモニタの最適配置を実験的に探索した結果,基準面距離と3Dモニタまでの視距離を一定に保ち,基線長を車両速度に応じて伸縮させることにより,正しいタイミングでブレーキが踏めることが明らかになった.

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© 2016 一般社団法人 映像情報メディア学会
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