抄録
現実世界から実物体を消し去る隠消現実感 (Diminished Reality; DR) 技術は,見通しの悪い交差点におけるSee-Through Visionなど,さまざま応用例が考えられている.しかし,そこにはいくつかの課題が存在した.第一に隠背景を観測するカメラと,体験者のカメラの直接的なカメラの位置関係を取得することが困難であること.第二に,屋外において隠背景が平面で近似できる場面でしか応用できなかったことである.本稿では,魚眼カメラと3D-LIDARを組み合わせた,高画角のRGB-Dカメラを用いて,両者のカメラの共通の視野を獲得することにより上記の問題解決を図る.また,屋外実験を通して,提案手法によるSee-Through Visionの実現可能性について議論する.