2026 年 80 巻 4 号 p. 530-538
Region-of-Interest (ROI) 符号化は,画像内の関心領域の画質を保持しつつ,全体の符号量を削減する手法である.本論文では,弾性モデルに基づくコンテンツ適応画像サイズ変換手法のROI符号化への応用を図る.提案手法では画像を正方ブロックに分割し,頂点間に作用する仮想的なばねの弾性エネルギーが最小となるようにブロックを変形させることで縮小画像を生成する.この際,ROIを含むブロックに関するばね定数を大きな値に設定することで,ROIのサイズと形状を保持することが可能となる.得られた縮小画像を既存の非可逆符号化方式で圧縮し,再生時は復号画像に逆の変形処理を施すことで,効率的なROI符号化が可能であることが実験結果によって示された.また,縮小後のROIブロック内の画素を整数座標に保つ処理を導入することで変形処理に伴う再標本化の影響を低減し,ROIの画質を改善できることを確認した.