テレビジョン学会誌
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手書き信号符号化におけるリング状領域選択型DPCM方式
宮里 勉
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1985 年 39 巻 10 号 p. 1003-1009

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抄録
最近になって, 従来の電話にない視覚情報の伝送機能を付加した, 新しいタイプの通信メディアの実用化が発表されている.それらの新しいメディアのひとつに電話回線を用いた, 音声と手書き線画の同時伝送用線画符号化方式がある.本論文では, 手書き線画の標本化された座標の符号化において, 過去の標本点からの相対座標を複数の領域に分割して符号化するリング状領域選択型DPCM方式について検討した.そして, リング状に分割された領域ごとに可変長符号を割り当てることによって, 符号化効率の向上が得られること, および手書き過程での筆記速度の変化の符号化効率に対する影響についても検討し, 方式の有効性を理論的に明らかにした.また, この結果を基にシミュレーション実験を行い, 領域分割を考慮しない従来の方式に対して約15%の符号量削減効果のあることを明らかにした.
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© 社団法人 映像情報メディア学会
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