テレビジョン学会誌
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多重波フェーディング環境におけるテレビジョン移動受信の画像品質劣化要因評価法
河 徳鎬竹内 勉池上 文夫吉田 進
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1987 年 41 巻 2 号 p. 181-188

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抄録

テレビ放送の移動受信では多重波伝搬による画像品質劣化が激しい.移動受信のサービスエリアの規定や画像品質改善法の効果の評価には, 固定受信とは異なる受信画像品質の新しい評価法が必要である.
移動受信の画像品質劣化の主要因であるゴーストフラッタは水平同期タイミングの変動として検出され, 多重波伝搬パラメータと密接な関係がある.本論文では, 様々な多重波条件における水平同期タイミングの変動をスペクトル分析し, 画像品質劣化要因の定量化について検討した.水平同期タイミングの変動をフーリエ変換して求めた, 空間波長に対するスペクトル分布 (ゴーストスラッタ曲線) はタイミングの空間的変動特性を表現し, 移動受信における画像品質劣化要因の定量的評価尺度となりうることを示した.また, ゴースト・フラッタ曲線と画像品質の主観評価との問には良い対応が認められた.

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