テレビジョン学会誌
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ハードコピープリンタ用CRTのディジタル駆動方式
奥田 治雄蓼沼 眞大野 信
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1988 年 42 巻 10 号 p. 1057-1063

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抄録

CRTの通常の発光量制御法であるアナログ変調は, CRTを自己発光型光源として使う場合には, 解像度, ダイナミックレンジ, 階調などに充分な特性を与えない.本論文では, CRTを光源とするハードコピー作成用プリンタにおける駆動法の一方式を提案する.まず, 解像度が高く, 階調のガンマ特性を考慮しなくて良いためディジタル方式が有利なことを明らかにした.そして, 簡易な回路で実現できるパルス幅変調とパルス数変調について得失を比較し, 階調が完全にリニアでダイナミックレンジも必要なだけ確保できる点で後者が優れることを示した.このときの解像できる空間周波数はアナログ変調に比べて約2倍であった.プリンタとして利用可能な高速画像出力のために, パルス振幅を多値とする方式を採用し, そのときの階調の誤差について考察した.画像出力実験により特性向上と階調の滑らかさを確認した.ハイビジョン信号をプリントして高画質なハードコピーが得られた.

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