平面型ディスプレイ用電子源として均一性の良い平面状の電子流を得る目的でカソードを含む電極構成について研究を行った.少ない本数の繊条カソードで, できるだけ均一性の良い平面状電子流の得られる電極形状について, 2つの構成例について実験を行った.ひとつは繊条カソードを突起電極頂上に配し, 強い発散電界中に浸したものと, 他のひとつは繊条カソードを円筒メッシュ電極中に配して発散電界で引き出すようにしたものである.各電極等の最適調整の条件において, 均一性の良い平面状電子流を得ることができたが, 後者の方がより均一性と電流密度の大きさの点で良い値が得られた.これらの平面電子源を用いて10×10マトリックス電極を用いた表示の実験を行った結果, この平面状電子源は, 大画面用の平面型ディスプレイへの適用が可能であることを示した.