テレビジョン学会誌
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超低反射率カラー表示放電パネル
坂井 徹男和田 正敏
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1988 年 42 巻 10 号 p. 1084-1090_1

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抄録

カラー表示放電パネルでは, 高精細化と高発光効率 (高輝度) 化を両立させるのは困難である.明るい部屋で視ることを仮定するとパネルの表面反射率を下げてコントラストを上げる方が良い画質を得る上で有効である.そこで, セルの発光色のみを透過する吸収型のフィルタを各セルの前面板側に設けたパネルを提案し, 実験した.この構成にすると, 発光出力は低下しないが外来光に対する反射率は著しく下る.まず, 最適なフィルタ材料を見い出すために, パネル製作上さけられない400℃以上の工程に耐えられる, 約300種の無機材料とその処理法を検討した結果, 赤フィルタはイオン交換法, 緑と青は色ガラス厚膜 (4~10μm) 法で作るのが最適だった.大型化が比較的容易なパネルにパルスメモリー駆動でテレビ画像を表示し次の結果を得た.セルピッチ;0.7mm, セル数;60×60, フィルタ透過率;約70%, 反射率;2.6%, 発光効率;0.15lm/W, 輝度;70cd/m2, 階調;8ビット, コントラスト (200lx照明下);40.

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