テレビジョン学会誌
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高周波スパッタ法による作製した高輝度緑色薄膜EL素子
大西 秀臣
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1988 年 42 巻 10 号 p. 1091-1096

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抄録

ZnS : Tb, F薄膜は, フルカラーELディスプレイの緑色発光体として注目されている.緑色薄膜EL素子の高発光輝度化を目的として, 高周波スパッタ法によりZnS : Tb, F膜を形成し, 成膜条件と膜質の関係, 交流薄膜EL素子の発光特性を調べた.まず, アルゴン, ネオン, ヘリウムおよび60%のアルゴンと40%のヘリウムの混合ガスをスパッタガスとして用い, スパッタ中のガス圧が発光層の電気・光学特性と結晶性に与える影響について検討した.MS構造直流EL素子における発光層中の電界強度と発光効率およびX線回折による結晶性の評価に関する実験結果から, 混合ガス雰囲気中で約4Paの圧力で形成した発光層の性質が最も優れていることが判明した.次に, 基礎研究の成果をふまえて, Ta2O5 : Al2O3混合絶縁層で発光層を挾み込んだ交流EL素子を作製した.試作した緑色発光素子において, 駆動周波数が5kHzの条件で, 9600cd/m2の発光輝度が得られた.

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