抄録
印刷用ディジタルカラー画像のデータ圧縮において, 主に蓄積用途で要求される圧縮データの任意座標アクセス性を有する圧縮アルゴリズムの開発を目的として, 領域適応型ベクトル量子化法を提案した.シアン, マゼンタ, イエロー, ブラックの4色1画素を4次元ベクトルとみなし, n×n画素のブロックを単独の画像とみなして各々4次元ベクトル量子化を行う方式である.このとき, 圧縮効率を左右するブロックごとの量子化レベル数決定法を3種類実験し, 性能評価を行った.実際の印刷用カラー画像でシミュレーションを行い, 圧縮率1/9のとき約28dBの性能であった.この方式によれぼ, 任意の座標値に対応するコードをアクセスでき, それを含むブロックのコードブックを参照するだけで任意画素の復元が可能である.