抄録
高品質な画像に適したディジタル輪郭補正にっいて検討した.まず, ガンマ補正した輝度信号の輪郭補正で問題となる浮きあがり現象を解析し, 高画質な画像に必要な自然感, 立体感などの要因を保った輪郭補正を実現する改良技法の特性を示した.次に, この改良技法を実現するためのディジタル信号処理を検討し, 画像の輪郭領域を検出して, 輪郭強調の動作をこの領域に限定して行う適応処理の回路構成を示した.また, 画質評価実験を行い, 黒の再現性が改善できること, 画像平坦部の雑音抑圧に適応処理が有効なことを確認した.そして, 7段階評価で1ランク程度の画質改善の効果を得た.この改良技法は, IDTV, EDTVの画質改善に適用できる.