抄録
本論文は,新しいアーキテクチャを搭載したAMD社のHD5000シリーズGPU(RV870)とOpenCL(Open Computing Language)と呼ばれる開発環境を利用した計算機合成ホログラム(CGH:Computer-generated-hologram)の高速計算について報告する.これまでにNVIDIA社のGPUとその開発環境CUDA(Compute Unified Device Architecture)を利用したCGHの高速計算は多数報告されているが,AMD社のGPUを用いた手法は筆者の知る限り報告されていない.RV870 GPUは1,024点で構成された物体から1,920×1,024画素ホログラムを30ミリ秒で生成でき,これは同じ手法をNVIDIA社GPU(GTX260)に実装した場合の2倍の計算速度となった.