1990 年 44 巻 6 号 p. 719-727
2次元平面上の円筒または円錐台の物体図形には, その構成要素として合同または相似な2つのだ円が含まれる.本論文では, この図形に対しHough変換を施したときのρ-θ平面で描かれるHough曲線群の軌跡のエンベロープの性質を利用し, この2つのだ円のパラメータとだ円間の距離を同時に決定する手法を提案する.本手法で行っていることは, 図形の接線群に最もうまく内接するような相似な2つのだ円を, 最小2乗法で求めているのに等しい.このため, 図形内部のノイズの影響を全く受けずにパラメータ決定が行えるという特徴がある.