1990 年 44 巻 6 号 p. 728-735_1
ディジタルVTRで用いられている100Mb/s以上の高速データを取り扱え, しかも構成が簡単な自動等化器を提案する.適応型ゼロフォーシングアルゴリズムを修正し, データ識別再生用と等化誤差検出用の2個の比較器の2値化データだけを用いて, トランスバーサルフィルタのタップ係数制御に必要な基本演算ができるようにした.これにより, 自動等化動作の基本となる制御部は, 比較器2個, 数個のラッチ, FIFOメモリ, 低速DA変換器および16ビットCPUのみで構成できる.さらに, 基本演算および制御のテーブル化やトランスバーサルフィルタのタップ幅の可変化により, 収束時間の短縮化を図っている.収束時間は, ヘッド1個に付き約0.5秒である.