テレビジョン学会誌
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塊状図形分離とキーキャラクタ探索による2万5千分の1地形図からの文字列抽出
長尾 智晴安居院 猛中嶋 正之
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1990 年 44 巻 8 号 p. 1044-1052

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抄録

地図中の番地や町名などを示す, 注記と呼ばれる文字列は, 地図中の重要な情報の一つである.このため, 計算機によって地図を自動入力する際, これらの文字列を自動的に切り出すことが望まれる.本論文では, 最も一般的な地図の一つである2万5千分の1地形図から, 計算機処理によって地図中の文字列を自動抽出する手法を提案している.ただし, 本論文で抽出対象とした文字は, 市街地地図中の文字の大部分を占める1辺1.5mmの直立体の漢字である.2万5千分の1地形図中の文字列は他の図形と接触していることが多く, 孤立領域として抽出できない場合が多い.本論文では, 他の図形と接触した塊状図形を, 輪郭線の形状を利用して分離する手法を提案し, 文字列の候補領域の抽出に用いる.また, 2万5千分の1地形図中の文字列は “丁” や “目” などの漢字を高確率で含むことを示し, これらの漢字をキーキャラクタとして用いる方法について述べる.得られた候補領域の形状, 位置と配置状態, 候補領域中のキーキャラクタの位置などを利用して, 最終的な文字列を得る.本論文では, 塊状図形分離手法, 地図中のキーキャラクタ, 文字列抽出アルゴリズムおよび本手法の実験例について述べている.

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