テレビジョン学会誌
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ショートバックファイア型双ループアンテナの設計と実験
是角 寿一奥野 喜好倉薗 貞夫
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1991 年 45 巻 1 号 p. 63-70_1

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抄録

都市部における電波環境の悪化に対応するために, 円形双ループアンテナの高利得, 広帯域性, 特に垂直面の放射ビームの鋭さに注目して, これを八木-宇田配列し, 高利得化と反射波や散乱および都市雑音等の除去を配慮してバックファイア型とした, UHFテレビ共聴用2素子ショートバックファイア型双ループアンテナを提案する.アンテナは, イメージを含んだループ群と平行2線部とに分けた解析モデルを設定して数値解析し, 各パラメータに対する詳細な設計資料を与えアンテナを設計している.また, アンテナからの反射損失はスリーブ法によって補償できることを示した.次に, 設計例をあげ実験によって条件の妥当性を確かめたところ, 半値幅E面55度, H面35度の鋭いビームを持ち, 動作利得最大約10dB, 3dB帯域幅35MHzと高利得, 広帯域を示し, 市販の8素子アレーに比較して3.5dB以上の動作利得の向上が認められることを示す.また, この高利得, 広帯域の理由を電流分布から考察し, 反射板の寸法についても板上の電流分布と指向性から検討を加えている.

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