テレビジョン学会誌
Online ISSN : 1884-9652
Print ISSN : 0386-6831
ISSN-L : 0386-6831
最先端コンピュータグラフィックス-3次元CGの手ほどき- (第8回)
人間のCG表現と応用
末永 康仁間瀬 健二渡部 保日児
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 46 巻 8 号 p. 1012-1020

詳細
抄録

本文では, CGを用いて人物像を生成する技術を概説する.人体も3次元の一般物体の一種である.したがって, 基本的には人物像も一般物体を表現するための様々なCG技法によって生成される.ただし人間は, 一般物体に比べて形状, 表面色, 動き, 加齢による変化, 人間の行動や感情との結び付き等の点で, はるかに複雑である.このため, 多くの既存CG手法を部位や目的に応じて使い分け, 組合せることが必要になる.本稿では, 人間のCG表現技術を, 技術毎の文献を参照する形で紹介するとともに, 特に顔の表現技術について実例を紹介する.
SIGGRAPHのコースノートには顔を中心とする人物像アニメーションについて解説, 歴史, 重要論文が掲載されている.また, 合成俳優 (Synthetic Actor) 作りに熱意を持つN.M-Thalmannは人物像アニメーション技術を総合的にサーベイしている.本文でも一部参考にした.
なお, 本文では3次元以上のCGモデルにもとづく手法を扱うものとし, 従来のアニメ作成の主要技法である2次元のセル画に基づく方法については扱わないこととする.また, 衣服の表示27) についても扱わない.動きの問題はロボットの行動計画の問題としても捉えられるため, その分野の論文も参考となろう.

著者関連情報
© 社団法人 映像情報メディア学会
前の記事 次の記事
feedback
Top