2002 年 56 巻 6 号 p. 993-995
λ/4型電波吸収体は, 構造が簡単でしかも設計が容易なことから, 室内無線LAN等を行う場合の室内電波環境の改善に利用されている.我々は, すでにこのタイプの電波吸収体に着目し, その裏打ち金属板等にFSS (Frequency Selective Surface) を用いることにより, 付加価値として周波数選択性や薄型化に関する構成を提案している.本論文では, さらに今後, 種々の電波が利用されることを念頭におき, 上記FSSを用いて2周波数に対して吸収ピークを有するλ/4型電波吸収体を実現するための理論的, 実験的検討を行い, その実現性を確認した.