抄録
Co-γFe_2O_3/NiO薄膜磁気メディアの作製プロセスの中で、CoO-Fe_2O_4薄膜を酸化処理する工程を、プラズマ中の酸素イオンを照射することで行なうことを試みた。その結果、(1)電子サイクロトロン共鳴(ECR)マイクロ波によって生成した酸素イオンの利用、(2)準励起状態にあるHe原子によって酸素分子のイオン化を促進するペニング電離効果の利用、(3)サンプルのチャージアップ対策、が有効であることがわかった。本手法では、大気中昇温による従来の酸化処理で要していた処理時間を1/500〜1/1000にあたる10秒程度に短縮でき、プロセス温度を約1/2の150℃に下げることができた。