抄録
PDPの輝度、コントラストといった性能はかなり改善されてきた。市販されている42型ワイドプラズマテレビの表現力は、市場から高い評価を得ている。一方でいわゆる「動画疑似輸郭」を画質劣化を伴うことなく解消し、PDPのもつ潜在能力を活かしてHDTV画質を達成することが切望されている。我々はPDPの動画疑似輪郭をコンピュータ上で正確にシミュレーションする手法を開発したので報告する。本手法は網膜上に、仮想画素を想定し、画像追跡モデルの導入によって、PDPの発光パルスによる寄与をすべて正確に積算する方法に基づいている。シミュレーション結果は観測結果の主観評価と極めてよく一致し、新規駆動方法の開発に有効なツールとして活用している。