抄録
多元蒸着法を用いて青色発光を示すCe^<3+>添加ストロンチウムチオガレイト(SrGa_2S_4 : Ce)薄膜の作製を行った。薄膜作製は蒸発源にSr金属、Ga_2S_3及びCeCl_3粉末を使用し、基板温度450℃、供給比Ga_2S_3/Sr=50で行った。また、薄膜堆積後H_2S雰囲気中で800℃、1.5時間の熱処理を施した。本実験では、発光特性の膜中のCe濃度に対する依存性を調べることを目的として、蒸着中のCeCl_3の供給量を変化させて薄膜の作製を行った。SrGa_2S_4 : Ce中のCe濃度がある値を超えると発光スペクトルはやや長波長側シフトを示し、発光強度は低下した。また、PL及びCL特性の測定結果から、SrGa_2S_4 : Ce薄膜中のCe発光中心の分布は表面からバルクに亘って均一であることが示唆された。発光強度及び発光スペクトルにとってSrに対するCeの最適供給量は約3.0×10^<-2>であることが分かった。