抄録
電子ビーム蒸着法を用いてCaS:Cu, F薄膜を作製し, アニールを行った。750℃以上のアニールによって[110]配向した膜が得られ, その結晶性はアニール温度の上昇とともに向上した。アニールにより薄膜は435から450nmにかけての青色の発光と長波長側のブロードな発光を示し, 750℃以上のアニールにより, 435nmにピークを持つ青色の発光が支配的となった。また, 時間分解発光スペクトル測定の結果からCaS:Cu, F薄膜の発光機構も蛍光体と同様D-Aペア発光ではなく, Cu+イオン内の電子遷移によることが示された。