抄録
本研究では異なるビスマス(Bi)組成の焼結ターゲットを用いてBi添加バリウムフェライト(Bi-BaM)薄膜を作製した。非晶質下地層上に基板加熱を施して結晶化BaM上部層を堆積させる実験を行なった。Bi-BaM薄膜は無添加の薄膜と比較して、より低基板温度でc軸配向し、その粒子サイズやc軸配向分散角の値も小さく、その値はそれぞれ110nm、3.3°であった。次に、基板加熱を行わずに堆積させた非晶質薄膜を真空中で高速熱処理によって結晶化を行った。組成n=5.5+Bi(6at.%)で作製した薄膜の粒子サイズは、750℃以下の熱処理で約40nmであった。記録再生特性を評価した結果、130〜180kfrpiの記録磁化反転密度が得られた。