抄録
高次元・高レートベクトル量子化(VQ)の実現法として, 反射群による2段階VQ法が提案されている.この方法は, 従属探索型・直和コードブック型の2段階VQであるため演算量・メモリー量の削減に有効である.また, 初段VQのボロノイ領域が全て合同型となるため, 後段VQのコードブックサイズを増加させるにつれて, 量子化特性がレートひずみ特性に漸近する.本論文では, 演算量・メモリー量を増加させることなく漸近特性を改善し, より高次元・高レートでの実現を図る方法として, 初段VQのポロノイ領域の境界上にも後段VQの代表ベクトルを配置する方法を提案する.