抄録
本論では, 計算機と人との感情のこもった対話を実現するために, 人間の感覚と音声情報の物理的特徴量に注目し, 感情に対応する物理的特徴量を解析することを目的とする.発話者の音声に含める感情について, 聴取実験と音声信号の解析を行ない, これらの結果の比較から, 感情に対応する物理的特徴量の抽出を試みた.音声信号の解析では, 人間の成長過程の初期に現われる感情とされる3種類の感情について, スペクトル解析, ピッチ解析を行う.さらに, 上述した各感情に対する音声信号の特徴の定量化を試み, これらの特徴量として4つのパラメータを新たに導入し, 考察を加えた.これらの結果から, スペクトルのピーク周波数やピッチの時間変化が音声の感情表現に重要な役割を果たしていることが知られた.