抄録
前頭前野がワーキングメモリと密接に関係していることが, 生理実験結果から明らかにされている。しかしながら、そのメカニズムについては不明な点が多い。とりわけ、その脳内機構として領域特異性を考えるか否かは重要な問題である。Raoら(1997)は前頭前野において、形態と位置の両情報に応答するニューロンの存在を認識した。そこで、本研究では、ごく自然な仮定の下でRaoら(1997)の生理実験結果をニューラルネットワークモデルによりシミュレートした。この結果は、前頭前野ワーキングメモリに領域特異性がない可能性を示唆する。