抄録
投射型テレビは家庭用大画面ディスプレイとして製品化されている。投射型ブラウン管では大画面化・高精細化のため、電子線励起強度の大出力化や蛍光面の薄膜化の開発が進められている。しかし、蛍光面への励起強度を高めることは、蛍光体の寿命低下や輝度飽和を招く。特に、投射型ブラウン管では青色ZnS:Ag, Al蛍光体でその問題が顕著である。投射型ブラウン管用青色ZnS:Ag, Al蛍光体を気相合成法により作製し、熱発光曲線の測定によるトラップ評価及び電子線励起による輝度評価を行った。熱発光曲線の測定によって430K付近に欠陥が観測された。合成時のH2S流量を増加するとこの深欠陥密度は低下した。これによって、フラックス合成品よりも気相合成品でエネルギー効率が5%向上した。硫黄欠陥に帰属されるこの深欠陥は輝度飽和の要因となるオージェセンタの1つであると考えられる。