予測符号化では符号化すべき画素値を予測する際, 一般に線形予測が用いられる.予測誤差エネルギを最小化するという観点から, 最適な予測係数は正規方程式により算出される.予測係数は小数であるが, 処理の簡素化を考慮した場合, シフト演算と加減算で算出可能な値, 例えば1/2, 1/4, 3/4といった値が好ましい.本研究では, JPEGの可逆モード, あるいはJPEG-LSで用いられている3つの画素を用いた線形予測において, 予測係数の総和は1であるとの条件の下, シフト演算と加減算のみで算出可能な予測関数, および正規方程式で求めた予測関数, 双方の予測2乗誤差エネルギの差異に関して理論的考察を行う.また, 実際の画像に使用した場合の予測効率に関する評価も行う.
