抄録
二層膜垂直磁気記録における媒体ノイズについて統計的な手法による解析を加えた。解析的な相関関数を仮定した検討とボロノイ型媒体モデルを用いたシミュレーションから、これまでに測定されたクラスタ径とノイズ電圧の比例関係が統計的な方法でも得られ、クロストラック相関長さだけを考慮した場合よりもサイズ依存性が大きいこと、クラスタサイズ分布の広がりはノイズ電力を増加させるので、同じ平均クラスタサイズであっても均一な構造の媒体の方が低ノイズであること、転移の細かい揺らぎは再生ヘッドのトラック幅にわたる平均効果で著しく影響が低下するので、これまでに実験的に得られているグレインサイズよりも大きなクラスタサイズはある程度の大きさの磁気的な揺らぎが実際に存在しているためと考えるのが妥当であること、などを示した。