抄録
高層建物における放送波の反射によるテレビゴースト障害が問題となっている。その対策方法の一つとしては、ビル外壁に電波吸収体を設置することが挙げられる。しかし従来の建物外装用電波吸収パネルは狭帯域であり、VHF、UHFどちらか一方の対策であった。そこで、軽量で広帯域な性能が得られる桟形フェライト吸収体をビル外装の電波吸収体に適用し、PCカーテンウォール一体型広帯域電波吸収パネルを開発した。モックアップを用いて電波吸収性能を測定したところ、開発した電波吸収はパネルは0、30、60度の入射角度においてVHF、UHF両周波数帯域で良好な電波吸収特性を有することが明らかになった。開発した電波吸収パネルは、あらゆる入射角度のテレビゴースト対策に対応可能である。