抄録
入射面が金属で作られたフーリエ格子の溝と直交しないコニカルマウントにおけるTE-TMモード変換を, ホイゲンスの原理とグリーンの定理に基づく消去理論を用いるT-matrix法によって解析した.コニカルマウント問題では, 格子の周期方向からずれて表面プラズモンが励起されることから, 入射波のTM及びTEの両偏波成分に大してプラズモン共鳴吸収が発生し, このプラズモン共鳴吸収を通して入射波と回折波との間で偏波成分(TE, TM)の強い変換が行われる.入射波, 反射波の未定係数をベクトルモード関数を用いてTE, TM成分に分割し定式化する事によって, 今までT-matrix法では解析できなかったTE-TMモード変換を解析することを可能にした.