抄録
本稿は高密度記録方式の一つであるランド・グルーブ記録構造を持つ光磁気ディスクによる光散乱特性の(FD)^2TD(Frequency-Dependent Finite Difference Time Domain)法による解析を扱っている.従来の解析で反射層として完全導体が仮定されてきたが, ここではアルミニウム(Al)の反射膜を考えている.光の波長領域ではAlは周波数分散性のためその誘電率は負になり通常のFDTD法は適用できない.そこで, 分散性媒質に有効な(FD)^2TDを用いている.主および交差偏光散乱界成分, その位相差が隣接記録マークの有無によって受ける影響を示す.また, 完全導体およびAl反射膜による散乱特性の差について述べる.さらに, 隣接記録によるクロストークの記録マーク径およびグルーブ深さ依存性について検討する.