映像情報メディア学会技術報告
Online ISSN : 2424-1970
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セッションID: IDY2002-60
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ルブレンを発光材料に用いた溶液系ECL素子の高輝度化 : イオン伝導補助ドーパントを用いたキャリア輸送向上の検討(表示記録用有機材料およびデバイス)
西村 和樹藤井 祐行浜田 祐次辻岡 強松田 茂樹柴田 賢一冬木 隆
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抄録
従来の溶液系電気化学発光(SECL)は非常に低輝度であった。しかし、本研究ではSECLの低輝度を改善するためにイオン伝導を向上させることを検討した。SECL素子は[透明電極/発光溶液/透明電極]の簡潔な構造である。本研究素子の溶液は混合溶媒としてo-ジクロロベンゼン/アセトニトリル=2/1(vol/vol)を用いた。さらに発光分子としてはルブレンを用い、イオン伝導を向上させる物質として1,2-ジフェノキシエタン(DPE)を用いた。この素子では8V印加時に183cd/m^2の黄色発光が得られ、このときの発光効率は1.5cd/Aであった。一方で、DFEを添加しない場合は0.3cd/m^2(8V)であり、ルブレン陽イオンの伝導を向上させることにより600倍の輝渡向上が見られた。さらに混合溶媒としてo-ジクロロベンゼン/トルエン=2/1を用いた場合は986cd/m^2(80V)の高輝度を得ることができた。SECL素子は簡潔な構造であり発光部位が透明であることから、シースルーディスプレイのようなユニークなデバイスが期待できる。
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© 2002 一般社団法人 映像情報メディア学会
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