抄録
生体の体模様の発生モデルをアナログ集積回路化し、それを光センサと一体化して高速に指紋画像修復を行うインテリジェント視覚センサについて報告する。このアナログ集積回路(反応拡散チップ)は、化学反応を模する反応回路と分子拡散を模する拡散デバイスの簡単な組み合わせにより、非一様な散逸構造を自発的に形成する性質を持つ。この性質を利用すると、欠損のある指紋画像をパターンの種として与えたとき、周囲の構造の特徴を保ちながら最適なパターン(欠損・ノイズのない指紋画像)が自己生成される。本稿では「非一様な縞状パターンおよび指紋パターンの復元」を例として、反応拡散チップのパターン生成・復元能力について報告する。
