筆者らは,長期入院中の小児患者や独居高齢者を対象として,その孤独感・疎外感を低減することを目的とした,常時接続型コミュニケーションシステムの研究開発を行っている.本システムでは,多人数参加型の3次元仮想空間構成技術と動画像通信技術により,各種コミュニケーション形態に応じた統合的コミュニケーション環境を提供している.本稿では,本システムの概要について触れ,本システム内に構築されたコミュニケーション空間に関する評価実験について述べる.具体的には,長期小児入院患者を対象として(1)動画像を伴う人型(2)キャラクタ型の2種類のアバタとの対面コミュニケーションを実施し,アバタデザイン(外観)がコミュニケーションに与える影響について検討を行った.その結果,特に低学年層・女児において,アバタデザインがコミュニケーションに与える影響が示唆された.