抄録
成層圏プラットフォームを利用した通信・放送サービスの検討が進められている.本報告では,米国において開発されたソーラープレーンPathfinder Plusを利用して実施した世界初の成層圏ディジタル放送実験について報告する.機体を高度20kmに滞空させ,搭載した装置からUHF帯の電波を発射し,地上で受信を行った.このとき,信号の方式には,我が国の地上ディジタル放送方式であるISDB-Tを用いた.成層圏の低温・低大気密度環境でも搭載機器は正常に動作し,最もキャリア間隔が狭いMode3と最も所要CN比が大きいパラメータの組み合わせでも、良好な受信が可能であった。